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雑記

更新日:1999.2.5

最新ビデオチップ総評。

 '98夏から冬にかけてはビデオチップの新製品のラッシュでした。結局どのチップがよかったのでしょうか。ちょっと検証してみます。

◆Matrox Graphics

G100[ProductivaG100]

 現在のMatroxのハイエンドチップはG200で、このG100はG200に先行して商品化された廉価版チップです。性能的にはかなり落ちますが、ターゲットとなるビジネスアプリメインの使用になら問題なく使用できます。値段も安いのでビジネス向けコストパフォーマンス重視のPC向きですね。
 相性問題などはあまり聞きません。使ってる人間が少ないというせいかもしれませんが・・・。

製品情報
ニュースリリース [Productiva G100]
ニュースリリース [Productiva G100 OEM]
ニュースリリース [MGA-G100 Chip]

G200[MilleniumG200/MystiqueG200]

 2D最速を誇っていたMilleniumの後継チップです。一時期はVoodooキラーとして期待されていましたが、全くそういうことはありませんでした。やはり3D描画速度は他のチップに比べると負けます。あくまで2D重視ですね。今までの「はっきりくっきり」とした画像と比べると多少柔らかなようです。
 また、比較的相性にうるさいチップです。IntelのBXチップセットでさえ相性が起きたりするようです。基本的に最新版のBIOS(マザーボード)、ビデオドライバ、GARTドライバ(互換チップセット)を導入するように心がけておけば大丈夫なようです。
 発売当初は発熱がすごく、突然死ということもあったようです。しかし、最近は落ち着いてきていて、発熱も少なくなってきたようです。バルクや中古で買うときは、なるべくリビジョンの新しいモノを買うようにしましょう(^^;
 ハイエンドビジネスアプリメイン向けのチップです。また、3DはVoodoo2にまかせて2D担当をG200というのもなかなかいい手段かもしれません。2Dでの描画速度と表示品質には定評があります。

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◆S3

Savage3D

 一時期本命と呼ばれるくらいの評判をかっさらっていましたが、実物を見ると全然そんなことはありませんでした。ただ、発売当初の出来の悪さを考えると、ドライバもチップもかなり熟成されてきていてとりあえず落ち着いた感があります。
 発売当初は発熱も多く、かなり不安定だったみたいですが、最近はかなり発熱も押さえられていてさらに安定度も増しています。最初から0.25ミクロンプロセスはつらかったかもしれませんが、こなれてくれば他社の0.35ミクロンプロセスのものよりいいのかもしれません。
 表示品質は、多少フォーカスが甘いというViRGE系です。ただ、これはベンダーとしては台湾メーカーなどが主流なので、国内のメーカーが採用すればそのあたりも多少は改善されるような気もします。
S3独自の技術である、テクスチャ圧縮技術はまだあまり活用されていません。また、Savage3D専用API「METAL」も装備しているなど将来的にはなかなかおもしろい使用となっています。速度的にもそこそこありますし、低価格なのでゲーム向けコストパフォーマンス重視のPCに向いていると思います。あとは、一風変わったモノが好きな人向けです(笑) 少なくとも、G200よりはゲーム向けのチップですね。

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◆nVIDIA

RIVA TNT

 一世を風靡したRiva128の後継チップです。2D、3D描画速度はかなり高速。3Dでは、Voodoo2に匹敵するくらいの速度を持ちます。もっとも、Voodoo2のSLI接続には負けますけど(^^;
 相性は出た当初はありましたが、最新版のBIOSやドライバを使うことにより回避できるはずです。
 表示品質は、あまりいいとは言えません。シャープネスは比較的高解像度になっても保たれてますが、発色が悪いです。暗いです。そのあたりは、ガンマ値などを調整すればある程度は改善できますが、DTPやグラフィッカー向けではないです。あくまで、ハイエンドゲーム向けPC用のチップだと思います。スクロールの早さはなかなかのものなので、ビジネスアプリにも向いているかもしれません。もっとも、昨今のビデオチップならビジネスアプリ程度なら問題ないわけですが。
 発熱もなかなかすごいので、ビデオチップ用の小型ファンの追加は必須です。

◆3Dfx Interactive

Voodoo Banshee

 3D専用ビデオチップである「Voodoo2」をベースに2Dを統合してワンチップ化したものです。水星のようにデビューして一時期話題をかっさらいましたが、なかなかよくできているチップです。速度は速いのですが、PCIベースの製品らしく(AGPの製品であってもFinalRealityでAGP Detectedされない)、AGPもx1にしか対応していません。その分、相性問題などは比較的出にくいようです。悪い言い方をすれば、一世代前のテクノロジーを使った一世代前の高速チップでしょうか。ただ、その割にはRivaTNT並の描画速度を誇るのはさすがです。
 表示品質としては、普通ですね。特筆するほどいいところもなく、かといって悪くもないという・・・。3DはVoodoo2譲りの画質と速度を兼ね備えています。
 これも発熱が多いチップなので気をつける必要があります。ファンは必須。
 ところで、DIAMONDのMonsterFusionは表示画質を多少殺して描画速度をあげたりしているので注意。そういうのがいやならリファレンスドライバを使えば改善されます。
 ハイエンドゲーム向けPC用のチップだと思いますが、比較的値段も高くなく、2Dもよく3Dもばりばりなので、オールマイティなPCを作るのにはいいと思います。

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◆NumberNine

Ticket to Ride IV[RevolutionIV]

 画質で定評のある#9の製品です。その定評は採用しているIBM製のDACにあったわけですが、今回それもなくなり、どうなるかと心配だったんですが、#9神話はまだ生き続けています。画質はかなりいいです。発色も鮮やかという言葉につきます。
 一方、速度的にはいまいち君で、2D、3Dともに最新のチップと比べると負けています。ただ、2Dに関して言えばこのクラスになると問題はないです。3DはVoodoo2と組み合わせることによって改善されます。
 相性問題はあまり聞きません。ただ、ドライバが不安定なのか謎のトラブルとかもあったりします。
 また、発熱がほとんどないという昨今のビデオチップにしては珍しいです。
 このカードは画質にこだわる人向けであって、ベンチマーク狂やゲーマー向きではありません。Photoshopに用がある人やグラフィッカーの方に向いているかもしれませんね。また、ビデオRAMを32M積んでいる製品はこれしかありません。それを生かせる環境の人は少ないと思いますが(^^;

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◆ATI Tehnologies

Rage128

 出荷予定を大幅にすぎて、さらにMacに先に搭載されるなどいろいろとあるようですが、ようやく出荷されそうです。
 まだ出回ってないのでどんなものかわかりませんが、高解像度(1600x1200など)はG200やRevolutionIVほどの綺麗さはないようです。ハイエンド2Dアプリの使用には向かないと言うことですね。

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◆3D Labs

PERMEDIA3

 「現行製品「PERMEDIA 2」の最大6倍の3D性能を持つ」とメーカー側が謳っているチップです。未だにこれも発売されていません。

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個人的な総評

 ここでは個人的な総評を行います。あくまで僕の主観に基づいたものなので、適当に聞き流して置いて下さい。

 現在僕が使っているのが「RivaTNT」です。一万円という低価格で市場をにぎわせた「Gallant Illusion TNT」です(笑) これに限らず、RivaTNT搭載カードの値段はどんどん落ちてきているのでこれからの狙い目かもしれません。速度的には申し分ないですし、値段が下がった今としては、発色の悪さも気になりません(笑)
 次に、「Voodoo Banshee」もさわったことあります。こちらもかなりいいチップですね。僕がさわったのはAGP版のQuantum3D「Raven」です。発売してすぐにいきなりAlladinVのAsus「P5A」に載せたりしてちょっとダイブしてみたりしてますが、PCIベースの製品と言うことが幸いしたのか相性問題もなく助かっています。こちらも速度的に問題なく、画質も申し分ないです。この両者(RivaTNTとVoodoo Banshee)は結構選択に迷うチップですね。Bansheeの方が画質に問題がない分いいのかもしれません・・・。僕も、9000円のBansheeと10000円のTNTのどちらにしようか迷いましたが、当時値段の高かったTNTのお買い得感からそっちにしてしまいました(^^;
 次に「RevolutionIV」もさわってます・・・というか、持ってます。今は活躍の場がないので使っていないんですが・・・。確かに評判通りの発色の良さです。感動モノです。ただし、速度重視のシステム向きではないんですよね・・・。

 一時期、Savage3Dに手を出そうと画策していた時期がありました。結局RivaTNTを買ったのですが・・・。Savage3Dもなかなかよくなってきているみたいです。サブマシンとか組む余裕があれば一枚欲しいと言えば欲しいです(笑)って、すでにRevolutionIVがサブマシン用にスタンバっているのでそうもいきませんが・・・。Savage3Dは比較的メーカーを選んだ方がいいみたいです。SGRAMを使ったカードがよいようです。また、リビジョンが新しいチップを使ったカードにするべきですね。

 そういえば、まだ「Rage128」と「PERMEDIA3」が出ていませんね。「Rage128」はそろそろ製品が出てきそうですが、出た当初は不安定な気もします。ドライバの熟成が・・・。雑誌で見た3DMark99の3D画質を考えると疑問ありますね〜。まぁ、時間がたてばよくなると思いますが・・・。
 それはそうと、雑誌って速度ばかり追求していて、画質の点にはあまり言及しないですよね。3Dの表示品質については写真を載せたりして結構扱うんですが、2Dはさっぱりです。まぁ、雑誌で読者に提示しにくいのもあるのでわからないこともないんですが・・・。

 そういえば、各社現行のチップを0.25ミクロンプロセスに移行したものをまた出すようです。TNT2、Savage4や、Voodoo3000なども出るようです。また速度が速くなるんだと思いますが、このあたりでPERMEDIA3やRage128などと並ぶんでしょうね。どちらが先に発売されるんでしょうか(笑)
 またまたそういえば、3DfxはOEM供給をQuantum3D社にしぼって、基本的に買収したSTBからの発売のみになるみたいですね・・・。これじゃ値段が下がらないじゃないか(^^; Quantum3Dといえば、Voodoo2を4つ使ったカードを出すという話も・・・。

 ビデオチップの新製品も一段落しましたが、まだまだ目が離せない状況にありますね。まぁ、楽しみが続くというのはうれしいものです(笑)

writed by Akimasa Kajitani 1999.2.5


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